切ない関係
第10章 歪んだ俺。
「翔ちゃん、何か勘違いしてる…。」
「好きなんだ、ずっと前から…」
「は??」
「だから、翔ちゃんが好きなんだってば。」
頭がパニックになる。
雅紀は俺のことが好き?なんで?
「って言うかニノは?!付き合ってるんじゃないの?」
「あー、えっと…話せば長いんだけど。どうする?」
「いやっ!話してよ…聞きたい。」
大切な事。
「ニノは、俺に協力してくれたんだ。付き合ってる振りしてもらった……」
「一緒に楽屋入りしたり、翔ちゃんの前でイチャイチャしたり。ニノだって、本当はリーダーと一緒に居たかっただろうけど……」
「どうしても、翔ちゃんの心に俺が映るにはって思ったら、こんな方法しか思いつかなかった。」
少し困ったように笑う雅紀。
俺と同じ。
「ははっ……ふっ、う……っ」
自然と涙が出るのに嬉しくて仕方がない。
「何で、泣いてんの……」
「お前だって泣いてんじゃん……」
「「ピンポーン」」
「ねぇ、誰か来たよ?」
「開いてるよーー」
ガチャッ
ドアが開いて、俺達の顔を見ると目をまん丸にしているニノが立っていた。