切ない関係
第11章 やきもち。
ガチャッ
「ただいまー」
三十分もすると、合い鍵を使ってニノが帰ってきた。
「あ…お帰り、早かったね」
「うん、だって早く帰って来てって言ったの智さんじゃん。」
「そうだね……そうだった。ごめん」
「あのさ、ごめんね?色々…話、ちゃんと聞くから。」
上着を脱いで、横に座るニノ。
俺の変化に気付いてくれて、感じている事も分かってくれて。だから、ついつい甘えてしまうんだ…。
ほろ酔いのせいもあって、今まで感じてたモヤモヤがすらすらと出てきた。
「俺、すっごい寂しかった。ニノが相葉ちゃんと一緒に居ると俺は妬いちゃうし、でも相葉ちゃんには幸せになって欲しいからって、いつも俺一人が勝手にぐるぐるして……。」
「今日だって…俺が先にニノと約束してたのに、翔くんの所行っちゃうし……俺だって、ニノの恋人なのに…とか」
あぁ…完全なワガママだって分かってるけど、口が止まらない。
「なんか、今回の事で分かった気がする。」
「何?」
「自分が、凄い寂しがり屋で…いつだってニノの事ばっか考えてるって分かった。」
逆に、今回の事があって良かったのかもしれない。
だって、ニノの側にいるのが当たり前だと思ってたから。