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絡まる意味

第1章 絡まる意味

朝の光を全身にいっぱい浴びてグッと延びをする。

清々しい朝がきた。楽しみな朝がきた。今日はデート日より。

クローゼットから自慢のおしゃれアイテムを取り出す。これにしようか、あれにしようか。

歯を磨いて顔を洗って髪を整えて。

朝御飯は彼女と一緒に食べるからお腹が空いてるけどグッと我慢する。

待ち合わせの時間まであと二時間。ちょっと早起きしすぎたみたい。

携帯を開けて画面を見れば、ふたりが顔をくっつけて楽しそうに笑ってる。

あの時は楽しかった。もちろん今も楽しくてしょうがない。

写真を見てると、一通のメールが届いた。愛しの彼女から。

『ごめん、今日体の調子が悪くて行けへん。悪いんやけどまた今度にして。』

もう、だからゆうたのに。昨日一緒に飲みに行ったら、ガンガン飲むから、明日デートやのに二日酔いすんでって注意したったのに。

会えないまま終わるのは嫌だから、電話帳を開いて、愛しの彼女の名前を探す。

発信音の後に少し声の低い彼女の声がした。

「もしもし。大丈夫?お見舞い行こうか?」

「い、いや。大丈夫。ごめんな。心配かけて。」

「僕はいいんやけど…。どうしたん?やっぱ二日酔い?」

「…みたい。」

かなりしんどそうな声。そんな声で話されたら来るなと言われてもいかなしゃあなくなるやん。

「わかった。安静にしときや。」

「おん。なかなか時間とれへんのにごめんな。」

「大丈夫。また行こう?じゃ。」

これは想定内。昨日の飲みっプリ見てたら簡単に予測できる。こんなことになるのが予想できてないのは僕よりあれだけ飲んだ本人の方だと思う。

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