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絡まる意味

第2章 絆奏

「…おい。」

引き留めるつもりはなかったが、思わぬ声が漏れた。それに反応して重たい足が床を力なくつかむ。

「ヨコは…俺のこと好きか?」

「…すばる?」

「…ええから答えろ。」

「……好きや…けど?」

「…俺とひな、どっちが好きや。」

返事が滞る。あんなに喋るのが好きなヨコの口から言葉が消える。これだけで答えが明白だった。

「…嫌いで別れたんとちゃうんやけど…。」

「電話せぇ。」

「…は?」

「今からでも遅くない。そんなしゃべられへんヨコ、いつまでも続いたらそれこそ俺らに迷惑や。より戻せ。」

「…すばる…。」

守るなら価値ある絆にしろ

へこたれてる場合じゃないだろう

なぁ、そうだろう?

俺のことを好きやないにしても、俺には「欠け代えのない光」なんやから。

「何ボサッとしとんねん!さっさと電話せんか!!」

「…お、おんっ!!」

どうせなら価値ある絆を持て

それ以上でも以下でもないだろう

なぁ、そうだろう?

関係は違うけど、共に泣いて笑って走り出す。

そのためには、悔しいけどひなが必要なんや。

俺がヨコを必要とするように。
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