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白雪姫

第1章 白雪姫

むかしむかし、あるところに美しき女性、白雪姫がおりました。

彼女は森の奥で七人の小人と共に、幸せな暮らしをしておりました。

そんなある日、老婆に化けた魔女にもらった毒リンゴを食べて、永遠の眠りについてしまいます。

悲しみにくれる小人たちの前に一人の王子さまがやって来て、愛のキスを交わすと、なんと言うことでしょう?白雪姫は目を冷ましたのです。

そして、二人は結婚し、幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし。

「……ってこと?」

俺の目の前にはまるが幸せそうに寝ている。

顔の近くには「白雪姫」の絵本。

そして、手には真っ赤なリンゴ。

きれいに一口かじった跡がある。

「おい!まる!起きろ!」

揺さぶってもまるで人形のように起きる気配を示さない。

「なんやねん…。ここ俺んちやぞ。」

仕事が終わり、ようやくのことで家に帰って来て、ゆっくりテレビでも見ようとソファーに座るとインターフォンの呼び鈴がなった。

見に行けばまるがご機嫌でインターフォンを押し続けている。

顔は真っ赤で、どう見ても飲んだ後だった。

いつまでも押し続けられても困るので仕方なしに家に上がらせた。

出来上がったまるとはいえ、突然の客人にテレビを見る気力を失い、俺は水をコップ一杯注いで机の上におき、まるに「これを飲んでちょっと酔い冷まし。」と言い残し、風呂に入った。

で、出てきてみるとこの様子。

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