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理想と偽装の向こう側

第22章 約束

「何か一気に片が付いたね。今日はゆっくり寝れそう~!」



「うん…。」



小田切さんは、何か煮え切らない返事をした。



「小田切さん…何かあったの?」



結んだ口を少し開き、また閉じる。



息を飲んで、意を決したかの様に吐いた言葉は



「…香織ん…しばらくの間、同棲止めようと思うんだけど。」



え…。
昨日の今日で…何で…。



「2ヶ月くらい様子見て…また再開してもと思ってさ…。」



「今朝から…考えてた?」



「うん…ちょっと色々と思う事もあって。」



ガクガクと、手が震えてくる。 



ようやく思いが伝わったと思ったら、突き放された。



やっぱり…私じゃダメなの!?



「わ、分かった…2ヶ月だよね…。」



「うん…週末や土日は会えるから。」



「うん…。」



ジョッキに口を付け、一気に飲み干したけど、苦味すらも分からなかった。

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