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理想と偽装の向こう側

第22章 約束

「有り難うございました!」



あれから、お互い黙りこくってしまい、そこそこ食べて店を出た。



「香織ん…今日どうする?アパートに行く?」



気不味そうに聞かれ、胸が痛む。



まだ…一緒に居たいのに。



「明日の朝…戻るよ。荷物少し持っていかないとだし。」



「そうだね…分かった。」



視線を合わさず、歩き出す。



数歩前を歩く小田切さんの背中を見詰めながら、重い足取りでマンションに帰る。



何で…ねぇ、小田切さん。



昨日の事を後悔してるのかな。



身体を繋げたら、やっぱり舐め合いでしたかないと思ったの?



一緒に居るのが、面倒になったのかな…。



悪い事ばかり、考えてしまう。



昨晩の優しく甘く抱かれた感覚は、身体にリアルに刻まれてるのに…。

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