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理想と偽装の向こう側

第6章 予測不可能

「あら、美味しいわよ!暢くんが作ったの?」



黎子が試供品の料理に感嘆すると



「は…ははい!作りました!お口に合いましたか…?」



「凄く美味しいわ。」



悩ましく笑う黎子に、暢くんは真っ赤になって、コンパス並みにお辞儀してカウンターに戻った。



可愛いなぁ~!



「ウブ子よね。」



黎子も温かくカウンターを見つめてる。



「黎子もちょっとは、あの純情可憐振りを見習ったら!」



「ふふふっ…純情可憐な私を見たいの?」



そう言われて、想像してみる…。



鳥肌が立った。



「なかったことに。」



「でしょ。」



また、勝ち誇られた。



女王様立ちして高らかに笑い見下ろす黎子の足元に、地面にひしがれてる自分の姿が浮かんでしまった。



く…黎子強し!

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