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理想と偽装の向こう側

第6章 予測不可能

「今週は、小田切さん遅いの?」



話を戻し問い掛けてきたので、



「うん…今週は、忙しいって。帰って来るのも多分私の寝てるころみたい。でも、朝は私より先に起きて朝食用意してくれてるんだよね。」 


「愛されてるわね~。」



「違うって!」



でも正直、本当に大事にされてる気分になる。 
その温かさにハマってしまうんでは…。



「忙しいけど、金曜日は出来るだけ一緒に食事しようって言ってるし。」



「花の金曜日にね~。何でかしら?」



「…次の日休みだからだと思う…。結構、飲んじゃうんだよね…。」



「あらそう!楽しそうね~。」



「今度、来る?小田切さんなら気にしないと思うし。」



「遠慮するわ。当て付 けられちゃうじゃない。」



「だ~か~ら~。違うって。」



そんな毒舌振りでも、黎子の眼は優しくて微笑んでくれていた。 

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