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理想と偽装の向こう側

第23章 幸か不幸か

「部屋まで、連れて行こうか?」



ニヤリと笑って、抱き上げようと
したので、つい



「歩かせて、頂きます!」



体育会系の返事をする。



「クスッ。じゃ…行こうか…。」



「は、はい…。」



初めてじゃないのに、またバクバクしちゃうよ!



「志信…私…恐いな…。」



小田切さんは、少し驚いて



「え…恐い?」



「うん…幸せ過ぎて…恐い。」



そう微笑んだ私に、



「ふっ…なら、俺も同じだよ。」



甘く、嬉しそうに微笑みかける。



彼の優しい唇が、私の火照るそれに重なって、甘く蕩かす。



私たちは、呆れるくらいキスをして、それから眠れない夜を過ごしていった。


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