テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第23章 幸か不幸か

ポカ~ンとしてると



「来週とか…香織のご両親のご都合知りたいんだけど。」



「うちの親!?」



「うん!会わせて欲しいんだけど…どうかな?」



それって…



「はい!分かりました!確認します!」



「宜しく~!」



真っ赤になって返事する私に、小田切スマイルで朝食の目玉焼きをお皿に載せてくれた。




そんな今朝のやり取りに、ニヤリとしてしまいつつ、デスクに座ってパソコンにログインする。



ステンレスカップにコーヒーを注いできた樋口さんが、席に戻り



「なべちゃん、おはよ~!朝からこれ見て欲しいんだけど~。」



机越しに、カタログを渡された。



「おはよ!オッケー…てか、重っ!」



思いの外カタログは重くて両手で受け取ろうと瞬間…



「なべちゃん!結婚するの!?」

 

と叫ぶ。



忽ちにオフィスが、ざわつく。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ