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理想と偽装の向こう側

第23章 幸か不幸か

一気に辺りは、騒然となる。



「わぁぁん!」 



子どもは訳もわからず、恐怖心から泣き出したようだ。



「カヅキ!」



お母さんが駆け寄って、子どもを抱き締めたんだろう。



「早く!救急車!」



「子ども庇った人が、轢かれたんだ!」



次々と人が、集まってくる声がする。



「誰か!早く!」



「看護師さんとかいませんか?」



かなり酷いのかな?



遠くから救急車のサイレンが、聴こえてきた…。



「しっかり!声が聞こえてる?」



聴こえてるけど…答えられるのかな?



身体に感じたのは、車に当たった衝撃と、下に広がる生暖かい…



血…。


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