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理想と偽装の向こう側

第7章 利用と束縛

「いいのって…他に何があるのよ…。」



「小田切さんを欲しいと思わないの!」



「……はぁ!!!」



「このままだと、あんた絶対ハマるわよ。」



「どうしたって、そっちにもっていきたいんだね。それに、流されろって言ったの黎子じゃん!」



「流される覚悟あるの!?」



「うっ!…正直今は分からない…。確かに小田切さんとは、居心地が良いけど、ただの現実逃避だし…嘉之のこと完璧に吹っ切れてないし…。」



「失恋の痛みは、新しい恋じゃない。」



「…なんか、黎子らしくないよ。そんな乙女なセリフ。」



「腐女子に言われたくないわよ。」



「ぐぅっ!あっ…今日、暢くんバイト来ないのかな?」



「休みよ。メール来てたわ。」



「…へぇ~。」



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