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理想と偽装の向こう側

第7章 利用と束縛

コトコト…。



シチューを煮込む音と美味しそうな匂いが漂う。



小田切さんは、シチューが焦げ付かないように、ゆっくり丁寧に鍋をかき回してる。



私は、その横でハンバーグを焼いていた。



「香織ん、ハンバーグ引っくり返して大丈夫そうだよ!」



「あっ…はい!すみませんっ!」



「疲れが溜まってるんじゃない?今週忙しかったの?」



ニッコリ笑いながら、小田切さんが聞いてくる。



「忙しくはないです…。また新しい企画が始まるみたいで、それでちょっと…。」



「そうなんだ、新しい企画なら楽しみじゃない?」



「はい…前回の功績を認めてもらえたんで…また携わらせてもらえるようで…。」



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