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理想と偽装の向こう側

第9章 衝動と不安

えっ…一足飛び過ぎやしませんか!!


「いいんですか!?」


「狭いけど、こないだ片付けたから酒くらいは飲めるスペースあるよ。」


いや、そこじゃなくてですね…。


「はい…。」


あぁ…本当に私に何が起きてるんだろう…誰か教えて下さい…。




ガチャ…。


鍵を開けノブを回す。
須永宅に到着した。


「上がって。」
「オジャマシマス。」


ずっと胸がバクバクしている。


あぁ…心臓が今にも爆発しそう…。


嘉之の部屋は、2Kで四畳半と六畳で分かれてる。
奥の四畳半を作業部屋にしているのようだ。


普段ここで、絵を描いたり、寝食過ごしてるんだ…そう思うと、その空間に入れただけで感涙だった。


「適当に座って。」


嘉之は、さっき買ってきたものをテーブルにいくつか置いて、残りを冷蔵庫に入れた。


「チューハイでいい?」


「はい、じゃあグレープフルーツで。」


嘉之が差し出した缶チューハイを、受け取る。


こんな、一つ一つの事にドキドキしてしまう自分がいる。



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