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理想と偽装の向こう側

第9章 衝動と不安

「俺チューハイで、いいや。じゃあ、お疲れ様~!」
「お疲れ様です!」


ゴインッ!


缶のぶつかる鈍い音がした。


「忙しかった?」


「あぁ、なんか目まぐるしかったな。しばらく、そんな感じが続きそうだけど。」



そこからは、また嘉之が一方的に話すのをひたすら聞いていた。


こうなって分かったけど、凄い喋るんだな~。


気付けば、21時近くになった。


明日は仕事だから、流石に帰らないとな。


そう思いながら、


「忙しいけど、嬉しいよね!一人でも多くの人が、嘉之の作品に出会う機会が広がっていくんだよね~。楽しみだね!」


「……。」



あれ?無言になった…不味いこと言ったかな? 


「香織…こっち来て。」


「ん?なに?」


私は四つん這いで、嘉之に近付いた。




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