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理想と偽装の向こう側

第10章 信頼と疑惑

キタっ―――――!!



疲れが一瞬、吹っ飛ぶ。



明日も仕事だけど、一応着替えを用意しとこう。



新居が見れるのも楽しみたけど、嘉之に会えるのが何より嬉しかった。



『大丈夫!』



『じゃあ、最寄り駅まで迎えに行くから。』 



『分かった!ありがとう!』



送信!!



猛ダッシュで用意し、家を飛び出した。


◎ ◎ ◎ ◎


駅に着くと、嘉之が改札近くの壁に寄りかかりながら、電話をしていた。



「はい…分かりました。来週ですね。はい…。」



今までに聞いたこと無い様な、丁寧な受け答えをしている。 



仕事かな…。



そんな姿が、妙に嬉しく思えた。



「では、失礼します。」



通話が終わり、携帯のボタンを押す。



「お疲れ様~。」
「よう!」



そう言って、少し笑う。



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