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理想と偽装の向こう側

第11章 亀裂

昼休み、窓の外を眺めていたら、モッキーこと元木さんが現れた。



余り話す気分ではないけど、この子もある意味、被害者かもしれない…。



「渡辺さ~ん!昨日お休みだったんですね。体調悪いんですか?」



「うん…余り良くないかな…。」



君の、ダメ押しで尚更ね!



「え~!無理しないで下さいね!そう言えば、こないだ梶さん何だったんですかぁ~?」 



なんでイチイチ、言わなきゃいけないのさ!
本音はそう思いながらも、



「デザインのアドバイスをしてくれたんだよ。梶さん昔、絵を描いてたから。」



「なんだぁ~。そうだったんですかぁ~!」



「後、私今は誰とも付き合う気ないって、伝えといてくれるかな。」



そうすれば、私のことを報告する理由は、なくなるよね。



「え…渡辺さん?」



「須永さんに、誰の紹介も要らないって、伝えておいて…じゃあ、宜しくね。」



「えぇ~!ダブルデートわぁ~!」



それこそ、知るかっ!!



私は、席を立ってその場を離れた。



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