テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第11章 亀裂

嘉之に連絡しないまま、二ヶ月が過ぎた。



最初の一ヶ月は、嘉之からもポツポツと連絡が入ってたが、最近は全然来なくなった。 



不安じゃないと言ったら嘘になるけど、連絡する勇気もなかった。 


また同じことを繰り返すだけな気がしてならないから。



元木さんから、時たま話は出たが



「最近、須永さん連絡取れないんですよぉ~。個展やりたいから、しばらく忙しいって!」



「そうなんだ…楽しみだね。」



個展か…気になるな…本当なら頑張って欲しい。



「つまんないですぅ~!個展て、メリットあるんですかね?」



おい!
君は何でこの仕事に携わってるんだ?



「興味ないの?」



「無くはないけど、芸術は、よく分からないです~。ここの仕事も、コネがあったからだし!きゃは!」



「そうなんだ…。」



私は、夢や希望を託したけどね…まぁ人それぞれだしね…。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ