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理想と偽装の向こう側

第11章 亀裂

一ヶ月前

元木さんが、結婚式を挙げた。



余り公表しなかったようで社内でも一部の人しか知らなかった。



招待状は、送られてこなかった。
私は、普段通り仕事をこなすだけの日々。



嘉之の目指したコンテストも、元木さんの結婚式前には締め切りになっていたので、結果発表は二ヶ月後になるのは、普段読んでるデザイン雑誌で知った。



嘉之は忙しさからか、まったく連絡を寄こさない…そうゆう私も、慰労会から一切連絡をしなくなった。



ほら…私なんか居なくても大丈夫じゃん…。



側に居なくても、それぞれの時間は過ぎていくんだ。



こんな結末になるとはな…六年間なんだったんだろう?



私と嘉之の出会いは、元木さんが嘉之の身内になるためだけだった気がしてならなかった。




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