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カチ、カチ、、カチ…。



電波時計の秒針が12の文字に重なった。



「お疲れ様です～。」



「渡辺さん、今日は急ぎなの？」



主任の井関さんが、声をかけてきた。



「あっはい！一応…。何か至急の仕事とかありますか？」



井関さんは優しく笑いながら



「ううん、何もないわよ。渡辺さんが朝から時間、気にしてたみたいだから、用事あるんじゃない。」



「はいっ！すみません！」



私そんなに朝から、ソワソワしてたのかな？



井関さんはいつも全体感に立ってみんなの仕事をフォローしてくれる。凄い頼りになる。
女性の中で、スピード出世しているのも頷ける。



「渡辺さん、ここんとこ元気なかったし、昨日も休んだから体調とか気になったのよね。無理しないでいいからね。」



「えっ…元気なかったですか？」



「そうね…明るく振る舞ってたけど、本来の渡辺さんぽくなかったかな。でも、今日は顔色も良いから安心したわ。」