テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第12章 板ばさみ

勢いよくマンションのドアを閉めて、部屋に駆け込む。



「ただいま!」



息がかなり上りながら、マンションに帰り着き安堵した。



「香織んお帰り~!どうしたの、そんな焦って。」



眩いばかりの笑顔で小田切さんは聞いてきた。



ドキュン!
癒される…はっ!さっきまで、嘉之とあんなことしてたのに…凄いふしだらな女になってるよね…トホホ~。



「また、遅れちゃったから…急いがなきゃって…。」



「大丈夫だよ。俺もさっき帰って来たからさ。レンタル屋に寄るからって、メール入れといたんだけど、焦らせちゃったかな。」



メールくれてたんだ…。



「ごめんなさい…気づかなかった。」



「気にしな~い!今日は、一緒に作れるなら、それだけでいいからさ。」
「小田切さん…。」



嬉しくて、泣きそうです!



「支度するね!」
「ほ~い!」



私は急いで支度をしてキッチンに行ったら、餃子の皮と具が沢山用意されていた。



「餃子ですか?」



「そう!ロシアン餃子にしようかなって!」



爽やかな小田切スマイルで、



「好きな具を入れてさ、中身分からないで食べるの!生きてる内に一回は経験しとかないとね!」



「そうなんですか!?」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ