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理想と偽装の向こう側

第12章 板ばさみ

「はい!カラシとワサビも用意したから!」 


「え…マジっすか。」



「これがないと、ネタ的につまらないでしょ!」



…小田っち…何を目指してますか?



「あと、ハバネロ作っておいたよ!」



「ハバネロ!でも…小田切さんが作ったなら自分で分かるんじゃ!」



「そこはフェアーに、100円ショップで餃子作り機を買って来たから、見た目は分からない!グッジョブ!」



そう言って、親指を立てる。



小田切さん…ロシアン餃子のために、そこまでするんですか…。



今の内容さえ無ければ、百人くらい惚れちゃうくらい、素敵な笑顔なのに。



でも…なんか凄い和ませてくれてる気がする…。
はぁ~キュンキュンしてくる!



「よっし!あっと言わせる、ロシアン餃子作りますよ!」



「その勢いだ!香織ん!」



それから私と小田切さんは、ひたすら餃子を作った。



餃子は百個以上出来上がったのに、ハバネロとカラシとワサビは見事なくらい、全部小田切さんが当てていた。



運がいいのか、悪いのか?



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