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理想と偽装の向こう側

第13章 対決

こんな風に、何気ないことを語り合いしながら、食事してることが、凄い幸せなんだと改めて実感してきた。 



「香織ん…。」
「ん~何ですか~?」



私はお好み焼きをハフハフ食べながら、返事すると



「嘉之と、どうなってんの?」
「ブッ!!ゲッホ!」



いきなり爆弾を投下され、咽る私に小田切さんたら



「そんな慌てて、食べないでも~。」



「お、小田切さんが、いきなり変なこと聞くから!」



「え~!変かな?」



「だって…!唐突過ぎだよ!」



だって、小田切さんから嘉之のこと聞かれるなんて…複雑…。



「まあね~でも、先週のことが、引っ掛かってさ…。」



「先週…。」



嘉之が胸元に付けた、青アザ…。



「香織ん、何か怯えてたから、余りいい再会じゃなかったのかなって…。」



ジ~ン…心に沁みる…。
小田切さん、察してくれたんだ…。



出会った日に、嘉之との経緯はある程度話してるしな…今更隠すことないのかも。



隠さなきゃいけないのは、私の小田切さんへ傾く想いの方…。



それから、再会の経緯を端的に話し、嘉之とのやり取りまでは話さなかったが、拘束されてしまったことを伝えた。



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