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理想と偽装の向こう側

第13章 対決

金曜日

前日に、小田切さんが



「香織ん、明日はニョッキです!」



「ニョッキ~!好き!家で、作れるんだ。」



「そう~。小麦粉とじゃがいもを捏ねるよ!」



本当に次から次へと…もうこれは趣味の領域じゃないね!



「駅で待ち合わせして、材料一緒に買って帰ろう!」
「分かりました!」



そして当日の今日、小田切さんと待ち合わせして、スーパーで、材料を選ぶ。



「飽きないように、ソースを三種類くらい作ってみようかなって思ってね。トマトと、バジルと、ゴルゴンゾーラ…香織んブルーチーズ大丈夫?」



「大丈夫!好きですよ!」
「流石だね…。」



「小田切さん…今飲んべえだと思ったでしょ!」



「うん!」
「もう~!」



他愛ない会話が、自然と弾む。
二人でスーパーの袋をぶら下げ、お互いの近況とか話しながら帰り道を歩く。 



「で、そこで滝島がさぁ~!」



「はははっ!本当に名コンビですよね!」



「香織ん!それは、止めてくんない!」



今まで、味わったことのないような、穏やかな幸福感。
楽しい食卓って大事だなんだなぁ~。



そんなこと思いつつ、マンションのエントランス入り口に近付く頃、急に視界が白くなった。



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