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理想と偽装の向こう側

第4章 同棲スタート

「はい…。話した方がいいですよね。」



「う~ん。まあ、そっちの意見が多いかもね。それかとっとと忘れろとか。」



「……小田切さんも、前者か後者ですか?」



「いいや~。それもなくはないけど、香織んは、分かってて出来なかったんだろ。ハッキリフラれたくなかったのとも違うんじゃない?」



「……。はい、何度もちゃんと向き合いたくて…でも、全然向き合おうとしてくれなくて…繰り返して解決出来なかったから、疲れちゃいました。」



小田切さんは、私のグラスにビールを注いでくれながら



「じゃあ、香織んがやりたいようにすればいいよ。下手な理想論を作り立てる必要はない。」



「へ…?」



「こうやって、情けないと思っても、何度も泣いたとしても、その時の気持ちに素直でいればいいよ。俺が、いくらでも聞くし、いつまでも付き合うよ。」



もしかして…それが小田切さんの言ってた『傷の舐め合い』…?

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