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理想と偽装の向こう側

第15章 発動

翌日

会社では井関さんや樋口さんなど、色んな人たちに心配された。



「本当に無理しないでね。来週は、ミーティングもあるし。」



井関さんに、そう言われて疑問が湧いた。



「あの…そのミーティングって、前回のプロジェクトが絡んでいるんですか?」



井関さんは、ちょっと周りを目だけで見回し。



「詳しくは、まだ言えないんだけど…その絡みはなくはないわ。相手方も渡辺さんじゃないと話を進められないみたいで…。」



「私以外は…、駄目ってことでしょうか?」



私の言葉に井関さんは、笑顔で答えた。


「えぇ!渡辺さんじゃないと駄目って!凄い期待と信頼があるのね。だから、体調を万全にしておいてね!」



私、ニッコリ笑い



「分かりました!」



と答える内面、目眩がしてきた。



悪夢だ…。



この1ヶ月、嘉之は着実に出来る限りの手段を講じていってたんだ…。



嘉之の残した言葉…。



『逃げても、追いかけるからな…。』



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