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理想と偽装の向こう側

第15章 発動

瞬間、胃が痛みムカムカしてきた。



嘉之のことを考えると条件反射の様だ。 



なるべく考えないようにするしかないか…そんなんで、治まる訳じゃないけど…。



無意識に、お腹擦る。



帰りに薬局に寄らないと…万が一の時は本当に覚悟を決めないと…。



そう言い聞かせながら、不安で泣きそうな気持ちを吹き飛ばそうとした。



ところが…やっぱり人生思い通りに行かな…さ過ぎだ!



◎ ◎ ◎ ◎

「小田切さん?何で、いるの?」



仕事が終わり出入り口を出たら小田切さんが、立っていた。



「香織んと、帰ろうと思って!」



立ってるだけで目立つのに、そんなスマッシュスマイルを喰らわさないで下さいな…ほらっ!



「きゃぁ!」



私の後ろから出てきた社員の声が、色めき立っていた。



小田切さんは、私の体調を気にして来てくれたんだろうけど、毎日来られたら、あっという間噂になりそうだ…。


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