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理想と偽装の向こう側

第15章 発動

小田切さんが、急いで抱き締め支えてくれたけど、痛みで立っていられなくて床に座り込む。



「くっ…。」



下腹部ではない…胃がひっくり返りそうだ。 



「香織!どこが痛い?」



「い…胃が…。」



「胃…。」



瞬間、小田切さんが固まったが、直ぐに我に返って 



「救急車…。救急車呼ぼう…。」



え…それは嫌だ…。



病院に運ばれたら、絶対に結果が出る。



もし妊娠してたら、小田切さんにバレてしまう。



「い…嫌…。大丈夫だから…つっ!」



痛みで、冷や汗が出る。
本当は大丈夫じゃないけど、知られたくない。



「香織!大丈夫じゃない!救急車呼ぶから!」



「嫌ぁぁぁっっ!!」



私はありったけの声を出して叫んだ。



その声に小田切さんは驚いていたが、錯乱してる私を強く抱き締める。



「香織!落ち着いて!」



「嫌ぁっ!お願い!病院嫌だ!」



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