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理想と偽装の向こう側

第16章 懐古

エレベーターに乗り、俺は自然に口を衝いていた。



「今日…ありがとうな…。」
「そう~?」



滝島は、気付いてるよな…。



「お前がいて…助かると思う…。」



「ふははは!やっと、有り難みが分かったか!」



そう言って、両腕を広げて俺に抱き着いてきた。



「わっ!何すんだよ!」



「素直な信リン、かわいい~!」



こいつ、やっぱりふざけてる!
前言撤回だ!



「ざけんな!!」
「照れなさんな~!」



「チ―――ン!」



エレベーターのドアが開くと、そこには…水越光花いた。



「きゃぁっ!!お邪魔しました!!」



そう言って、彼女は真っ赤になって去って行った。



「お邪魔…しまし…た…って?」



俺に抱き着いてたまま、滝島は



「あははは…ごめ~ん、小田切…。」



嘘だろ…。



これが彼女との、2日目の出来事…。



「離れろ!」



「わっ!次は、金曜日だな!来いよ!」



何でシフトを滝島が、把握してんだ!!


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