テキストサイズ

理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

俺も出来る限り気を付けたけど、やっぱり最初は辛そうだった。



「俺と居るときは、無理しなくて、いいんだよ…。」



無理させて、言える台詞でもないけど…。



「慣れてないから…ちょっと身体痛いけど…朝ご飯作って、一緒に食べたかったの…それに…。」



胸元で、光花はモジモジしながら言った。



「それに…?」



「二回目は…気持ち…良かったし…。」



ポソっと…小型爆弾を落とされた。



俺は、どうしようもなく沸き上がってくる衝動を抑えながら、自分の眼を片手で覆い



「ごめん…無理させて…。」



と、色んなモノが心で入り混じりながら謝った。



「ううん…学生時代の筋トレより、辛くなかったよ!」



筋トレか…。
そう…良かった…はは…。



「でもね…志信さんの腕の中に居られるだけで、凄く嬉しかったから…。ずっとドキドキしちゃった。」



はにかみながら、そう言う光花の肩に俺は顔を載せた。



クラクラする…また押し倒したくなる…。
もう…色々、大変です。



「志信さん?」



「お味噌汁…美味しそうだね…。食べよっか…朝ご飯。」 



「うん!」



嬉しそうに返事する君を今一番食べたいと…思ってしまった…。 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ