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理想と偽装の向こう側

第17章 希望と絶望

俺が、顔を洗って着替えてる間に、朝食は整えられていた。 



「本当…旨そう~。」



土曜日の朝から手作りの味噌汁って、妙に感動的だった。



「へへ…誰かと朝食って久し振りだな…。」



光花は、お茶碗に炊きたてのご飯をよそいながら、嬉しそうに言った。



「俺も~。戴きます!」
「戴きま~す!」



一口、味噌汁を啜ると…ホッとする味がした。 



「旨いわ…味噌汁飲むと何か安心するね。」



俺の言葉に



「うん…やっぱり日本人だなって思う~。」



「ははっ…確かに!」



独り暮らしも長くなり、最近は実家に戻る事も中々なかったから、然して気にもしなくなってたけど、家庭の味がこんなにも、心穏やかなるんだって、思い返された。



それとも、彼女が作ってくれた食事だからだろうか…。



「光花…今日、ここでまったり計画でいいの?」



「うん…それがいいな…。」



でも、だだ無駄に時間を過ごすのもな…あっ!



「あのさ!駅前のレンタル屋にDVD借りに行こう!」



俺の提案に光花は、ニッコリと笑顔で賛同した。


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