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理想と偽装の向こう側

第19章 罪悪感?

テーブルにカレーとサラダを用意する。



ビールを注ぐグラスは、冷やしておいた。



「流石~香織ん!」



小田切さんが笑いながら、床に座り込む。



「何がですか?」



「ビールの美味しい飲み方、知ってるあたり。」



「どうせ、蟒蛇ですから…。」



「はは!旨そう~!いっただきま~す!」



小田切さんはスプーンに掬って、大きく一口食べる。凄いドキドキ…。



「旨い!めっちゃ旨いよ!香織ん!」



嬉しそうに言う小田切さんの顔に、何とも言い難い幸福感に満たされる。 



「小田切さんみたいに、上手く作れる自信はなかったけど…。」



まあ…つまり光花さんの味だけど。



「いやいや!お世辞抜きで旨いよ!てか、ビールに合う味だよね!」



そうなんだ…お酒に合わせて味付けるから、多分飲む人には好まれるんじゃないかな。 



「なんか~大人の味がする!」



「大人!本当に~?」



でも、やっぱり嬉しいや。



私はきっと、自分のカレー…
自分の味をを認めてもらいたかったんだ…。


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