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理想と偽装の向こう側

第2章 出会い

「ど、ど、同棲ぃ~っ??」



驚くしかない。そんな事、いきなりあり得る訳がない。
でも、男は



「そっ!」



と、ニコッ歯が輝いて見えるくらいの満面の笑みで答え、たて続けて話し出す。



「偽装前提だから、ルームシェアだと思えばいいよ。お互い束縛する事もない、家事も自分の分だけやればいい。家賃は、俺が払うから君は一円も払わなくていい。」



はい、そうですか!
って、承諾する訳ないけど余りにも条件が良過ぎる。




「あの~いきなりもさることながら、条件が良過ぎるし、正直胡散臭いんですが…。例えば私じゃなくても、はい是非っ!って言わないかと…。」




頭と心を落ち着かせながら、この場を逃げきる算段をたてようとしたが、私の話しを聞いている彼の瞳が、凄い慈しみに満ちていて、徐々に引き込まれていく。


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