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理想と偽装の向こう側

第19章 罪悪感?

「お、小田切さん…私の顔…何か付いてるかな…。」



そう言うと一瞬眼を見開き、また細めて微笑みながら…。



「ううん…はしゃいでて可愛いなぁ~と、思っただけ。」



ドッカンッ!!



「か、可愛い…。」



サラリと言わないでっ!



照れ臭くて、また窓の外を見ると、



「何で…光花の夢を叶えてくれようとしたの…?香織んは、背負わなくてもいいんだよ…。」



小田切さんの表情は、切なくて…優しくて…泣きそうに見えた。



「あっ…。私…光花さんに感謝してる…。」



「感謝…光花に?」



小田切さんの方に向き直り、一呼吸飲む



「光花さんが…亡くなってしまった事は、本当に悲しいし…残念だけど…。光花さんが小田切さんと出会ったから…私も小田切さんに出会えたんだと思ったの…。」



「香織ん…。」



「小田切さんに出会えなかったら、私きっと泣き暮らしてたか…嘉之の言いなりのままの人生に戻ってたと思う。そこから抜け出させてくれたのは…」



小田切さんを真っ直ぐ見詰めて



「貴方だから…。」


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