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理想と偽装の向こう側

第20章 さよなら

「突然ナンパみたいに声かけて、それが自分と落ちるところまで落としたいと、沼に引き摺り込んで、そんな自分と一緒に居て欲しい、好きです!だからセックスしよう!何て…言える?」



黎子は一気に捲し立て、ハイネケンを一口飲んで、満足そうな顔をする。



「うっ!あの~今の解説ですと…何か物凄~く人として、嫌な感じに聞こえるんだけど~。」



「でも、要約するとそうでしょ!」



「うぅ…そうかな…。」



「だから、楽にしてあげなさいよ。香織も楽に、なりたいでしょ。」



「黎子…。」



「多分、あんたが小田切さんに気持ち伝えたら、後は全て丸く収まると思うわよ。」



黎子の言葉に、ドキドキしてきた。 



いいのかな…小田切さんとの未来を望んでも…。



「うん…ダメ元でも、告白するよ!」



「ふふふ…ダメ元覚悟でも一応、勝負下着にしときなさいよ!」



「なっ!」



私が茹で蛸みたいに真っ赤になってるのも気にせず、黎子は美味しそうにハイネケンを飲み干していた。 



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