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理想と偽装の向こう側

第5章 トラウマ

誰!?
小田切さんの知り合いかな?



「滝島…。」



「こんな所で会うなんて奇遇だな!」



若干、一瞬微妙な間があったが、小田切さんはいつもの笑顔になっていて、滝島さんとやらと話を続けた。



「本当だな。俺も流石にビックリしたよ。滝島、隣町だったけ?」



「そうそう、今日は娘のもので必要なのがあったから、嫁さんと一緒に来てるんだ。ちょうど小田切に電話しようとしたら、見かけたから驚いて声掛けちまったけど…悪かったな。」




チラリと私の方を見た。



小田切さんは、気にした様子もなく私を紹介した。



「渡辺さん、会社の同僚で滝島っていう奴」



「奴って、お前ちゃんと紹介してよ!初めまして、滝島です!!」



「初めまして、渡辺です。」



「で、俺に用事があったんだろ。」



「そうそう!火曜の打合せの件で至急連絡欲しいって。」



「あぁ…あの人、急遽多いよな…。休みもお構いなしだな。」



いつの間にやら、仕事の話になっている。 

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