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シトイウカ

第1章 いち。

「おいしいパンと珈琲を下さい」

アンドロイドを作ろうと思って
表面上に人間を模すことより
その構成、組織をも
同一性を持たせること
を考えたが
機械でそれをしたとき
心臓を発電機として各部に電力を供給する血管、情報を信号伝達する神経、混合廃棄物の処理精製排泄等を各部動力等の制御統括をする脳
果たしてそれに意味があるのか
人間よりも延命だがいずれは壊れるとか
人間にかえて何を求めるとか

なんとかうんぬん

カラフルなレゴブロックを組み立てて

何かを求めるアンドロイド

細胞を組み立てて

誰だか知らないけど

けっこう頑張ってくれたから

僕らの身体は

恒常性によって

リンパやイオンによって

不可思議な仕組みによって

今を保っているのだけれど

僕らはいくら文化というOSを

アップデートしてみても

なんだか満たされないのは

ウイルスにでも侵されているのかしらん

なんとかうんぬん

完成したレゴを指でこずいて倒してみたら

ぽろぽろ部品が外れて落ちた

神様か宇宙人か進化論か

なんでもいいけど

見て

今日の朝日は綺麗だ

だから僕に

おいしいパンと珈琲を下さい


おわり


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