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シトイウカ

第1章 いち。

「目ざます」

大雨ざあざあ
片付かない部屋に転がって
時計を壊して時間を止める

こうやって、溜め息をつけば
何かのタガが外れてしまう

煙草でさえも、時を知っているから
じりじりと短くなって
僕の時間が煙になって消えていく

インスタントラーメンも知ってる
洗濯機も知ってる
僕も本当は気付いている

時間だよ

ピーピー、リリリ、ルルルララ

時間だよ

ピーピー、リリリ、ルルルララ

さあ、起きて

さあ、起きて

ねえ、起きて

大雨ざあざあ、降っている


終わり

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