
~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~
第107章 美香のPartTimeLove④
「あの、ここじゃなんだから外に出ませんか?」
アタシが薬局の中をグルっと見回して言った。
薬待ちの患者さんが5人ほどと、受け付けの薬剤師さんが2人、アタシたちの方を興味深か気に見ていた。
「そんな感じですね」
そう言ってイッキ君は自動ドアから外に出て行った。
「ボクは駅の方に行きます。美香ちゃんはどっち?」「アタシも駅の方です」
アタシは特にイッキ君に隠す必要は無いと思って正直に答えた。
「それは良かった。じゃあ駅まで歩きながら話してくれたら嬉しいです」
イッキ君が凄く嬉しそうに言った。
「はい。かまいませんよ」そう言うと、イッキ君はアタシの横に並ぶように歩きはじめた。
アタシは歩きはじめて思った。誰かとこうして並ぶなんてどれくらいぶりだろうか。だいたい、そういう経験だってあまり無い。純と歩いたことがあるくらいだと思った。
イッキ君は並んで歩くと離れて見ているよりずっと身長が高く感じられた。
一歩一歩の歩幅に差があるから歩調が合わせにくい。
それと二人の距離もどれくらいがいいのか。
近過ぎても、離れ過ぎてもおかしく感じられた。
しかしアタシがそんなことを気にしていることに自分で驚いた。
でも、どうやらイッキ君の方も同じように慣れないみたいだった。
歩幅を大きくしたり、小さくしたり、なんだかスキップみたいになっている。
この人は本当に可笑しな人だ。そんな風に思っていたら、前から来たオバサンの乗った自転車が二人の間を通り抜けて行った。
イッキ君と目が合い、揃って苦笑いをした。
アタシが薬局の中をグルっと見回して言った。
薬待ちの患者さんが5人ほどと、受け付けの薬剤師さんが2人、アタシたちの方を興味深か気に見ていた。
「そんな感じですね」
そう言ってイッキ君は自動ドアから外に出て行った。
「ボクは駅の方に行きます。美香ちゃんはどっち?」「アタシも駅の方です」
アタシは特にイッキ君に隠す必要は無いと思って正直に答えた。
「それは良かった。じゃあ駅まで歩きながら話してくれたら嬉しいです」
イッキ君が凄く嬉しそうに言った。
「はい。かまいませんよ」そう言うと、イッキ君はアタシの横に並ぶように歩きはじめた。
アタシは歩きはじめて思った。誰かとこうして並ぶなんてどれくらいぶりだろうか。だいたい、そういう経験だってあまり無い。純と歩いたことがあるくらいだと思った。
イッキ君は並んで歩くと離れて見ているよりずっと身長が高く感じられた。
一歩一歩の歩幅に差があるから歩調が合わせにくい。
それと二人の距離もどれくらいがいいのか。
近過ぎても、離れ過ぎてもおかしく感じられた。
しかしアタシがそんなことを気にしていることに自分で驚いた。
でも、どうやらイッキ君の方も同じように慣れないみたいだった。
歩幅を大きくしたり、小さくしたり、なんだかスキップみたいになっている。
この人は本当に可笑しな人だ。そんな風に思っていたら、前から来たオバサンの乗った自転車が二人の間を通り抜けて行った。
イッキ君と目が合い、揃って苦笑いをした。
