
~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~
第14章 覗いてはいけなかった
目が覚めた時、目の前にいつものお医者さんがいた。
ここは病院だ。
私は自分の頬に手をやると濡れていた。泣いていたみたいだ。
「こんにちは先生。私どうしたのかな?」
「こんにちは。君は誰かな?」
「亜里沙です」
「亜里沙さんだね。久しぶりだね。何も心配しなくていいよ。少し昔のこと思い出して悲しくなっちゃったんだ」
「昔のこと?」
「そうずっと昔のこと」
「でも、それはとても大事なことなんだ。ボクはそれを教えてくれるのは亜里沙さんしかいないと思ってるんだ」
「なんだろう?先生。それは私が知っていることなの?」
この娘は甘えて子供っぽい話し方をするが理解力はある。そして自分に協力的だ。やっと久しぶりに現われたのだ。ここは大きな山だ。焦ってはいけない。医者であるトンボはそう思った。
「うん。きっと知っていると思う。思い出してほしいんだけど、ちょっと辛い思い出なんで、嫌になればすぐに止めてもいいんだ」
「わかりました。なんだか少し怖いけど・・・ホントにそれは必要なことなのね?」
「そうなんだ。君にとってすごく大事なことなんだ」
「私、自信ないけど頑張ってみる。もし、私がダメでも先生怒らないでくれますか?」
「もちろんだよ」
「じゃぁ訊くね。亜里沙さんは小さい頃に虐待をうけたという記憶はあるかな?」
虐待!?虐待・・・虐待・・・
誰かが誰かに暴力をふるうこと。
私の子供の頃?。
「虐待でなくてもいいよ。何かとてもとても怖くてショックだったこととか」
先生が言った。
私はだんだん動悸がはげしくなってくるのを感じていた。
「すごく痛いことがあった?」
「痛いこと?痛いことなんかじゃない・・・」
私は鼻孔の奥に焦げたような臭いがするのを感じていた。
背中を冷たい汗が流れ、遠くから声が聞こえてくるようだった。
「お父さん止めて!止めて!お母さん許して!」
その声は私の声・・・私は小学生だった・・・
ここは病院だ。
私は自分の頬に手をやると濡れていた。泣いていたみたいだ。
「こんにちは先生。私どうしたのかな?」
「こんにちは。君は誰かな?」
「亜里沙です」
「亜里沙さんだね。久しぶりだね。何も心配しなくていいよ。少し昔のこと思い出して悲しくなっちゃったんだ」
「昔のこと?」
「そうずっと昔のこと」
「でも、それはとても大事なことなんだ。ボクはそれを教えてくれるのは亜里沙さんしかいないと思ってるんだ」
「なんだろう?先生。それは私が知っていることなの?」
この娘は甘えて子供っぽい話し方をするが理解力はある。そして自分に協力的だ。やっと久しぶりに現われたのだ。ここは大きな山だ。焦ってはいけない。医者であるトンボはそう思った。
「うん。きっと知っていると思う。思い出してほしいんだけど、ちょっと辛い思い出なんで、嫌になればすぐに止めてもいいんだ」
「わかりました。なんだか少し怖いけど・・・ホントにそれは必要なことなのね?」
「そうなんだ。君にとってすごく大事なことなんだ」
「私、自信ないけど頑張ってみる。もし、私がダメでも先生怒らないでくれますか?」
「もちろんだよ」
「じゃぁ訊くね。亜里沙さんは小さい頃に虐待をうけたという記憶はあるかな?」
虐待!?虐待・・・虐待・・・
誰かが誰かに暴力をふるうこと。
私の子供の頃?。
「虐待でなくてもいいよ。何かとてもとても怖くてショックだったこととか」
先生が言った。
私はだんだん動悸がはげしくなってくるのを感じていた。
「すごく痛いことがあった?」
「痛いこと?痛いことなんかじゃない・・・」
私は鼻孔の奥に焦げたような臭いがするのを感じていた。
背中を冷たい汗が流れ、遠くから声が聞こえてくるようだった。
「お父さん止めて!止めて!お母さん許して!」
その声は私の声・・・私は小学生だった・・・
