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そんな想い

第6章 ヘタレてばかりもいられない

ネクタイを胸ポケットに入れ、Yシャツは腕まくり。

スッとした白い指でスプーンをもっている。

「一応おかゆにしてみた」

「あ、スイマセン」

「ふふん。食べさせてやろうか?」

「へ?」

「あ~んしてやろうかって言ってんの」

松岡さん的にはジョークなんだろう。

実際、昨日までの俺なら、こっそりキュンとしながらも、素直に笑えたと思う。

でも、今は違う。

リアクションがとれない。

「じょ、冗談だよぉ…。そんな怖い顔すんなって」

気まずそうな松岡さん。

慌てた俺の口から出たのは「スイマセン」だった。


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