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そんな想い

第6章 ヘタレてばかりもいられない

「マジで体調悪そうだな」

松岡さんはお盆を俺に手渡しながら言った。

湯気の立ち上るおかゆには、卵が入ってる。

隣にはバニラアイスと桃の缶詰。

そして薬の箱も載っていた。

「いやさ、パートの小高さんがさ、二日酔いらしいなんていうからさ」

おばちゃん、バラしたな!

「お前がそんなハズないと思ったけど、俺もつぶれて寝こけたくらいだからさ」

松岡さんは俺の横に腰かけた。

「お前優しいからさ。気を使わせないように言ったのかな~とかね」

松岡さんの口からそんなことを言われると、少し心が痛い。

「まぁ、ホントに二日酔いだったとしても俺のせいだし」

そっか。

松岡さんは、責任を感じてきてくれたんだ。

そっか、そっか。

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