
そんな想い
第8章 松岡の告白
「お前が頑張ってる姿、すごく好きでさ。その気持ちと、恋愛感情を勘違いして、それを勝手にお前に映してるのかと思ったんだ」
「それは…?」
「俺の都合のいい勘違いなんだろうと思ってたんだよ」
松岡さんは、後ろから回した俺の腕に手を乗せた。
そして、ぽんぽんと子供をあやすように叩く。
「でもさ、あの日、お前にキスされてさ、なんかすごく気持ちが軽くなったんだよね」
やはり松岡さんは、あの日のことを知っていた。
「どうして何も言わなかったんですか?」
ちょっと恨みがましく、俺は尋ねた。
