
お兄ちゃんはいちご味
第1章 あまい匂い
ドクンーーーーーー
え、なにこれ…
突然眩暈がして、よろけてしまった
「果乃っ!」
お兄ちゃんが慌てて肩を支えてくれた。
ドクン…ドクン…
クラクラする……
それに、すごく熱い……
「…果乃……?」
お兄ちゃんに覗き込まれる。
そういえば、今…
ここには、あたしとお兄ちゃんしかいないんだ…
意識した途端、むせ返るほどのお兄ちゃんの甘い香り――
バスルームはお兄ちゃんの甘い香りで充満している
直に触れた肌からは、お兄ちゃんの血脈が波打つのが伝わってくる
おいしそう…お兄ちゃん……
食べてしまいたい…
今すぐ…
かぷっ
「ちょ、か、か、果乃っ…!?」
あたしは思わずお兄ちゃんの首筋に噛み付いていた。
はっ!
「ご、ご、ごめんっ!えっと、これは…違うの…!」
あたしは素早く離れて、お兄ちゃんの顔を見ずに急いでバスルームを出た。
