お兄ちゃんはいちご味
第9章 夏休みのひみつ
「まあいいや。そろそろ日が暮れるし、早く戻った方がいいよ。このあたりは日が沈むと真っ暗になって危ないからね」
麻くんに言われるまま、あたしたちはおじいちゃん家に戻った。
「えーっと…こっちが捺くんの部屋で、その隣が果乃ちゃんね。宋介おじさんの部屋は離れにあるから」
夕食の後、麻くんが丁寧に部屋を案内してくれた。
「ちなみに俺の部屋は向こうだからなんかあったら呼んで♪」
「う、うんっ」
「………」
麻くんは小悪魔な笑顔であたしに目配せしてきた
そんな麻くんを後ろから睨むお兄ちゃん
「なんなら夜這いもおっけーだから☆」
「え?」
「麻人てめぇ…」
「冗談だよ。」
お兄ちゃんの睨みをしれっとかわす麻くん
そういえば、お兄ちゃんと麻くんって、昔からこんな感じだったかも…