お兄ちゃんはいちご味
第9章 夏休みのひみつ
ピピピッ…ピピピッ――
「ん…」
携帯のアラームで目覚めると、8畳ぐらいある広い和室に、ベッドじゃなくて布団という違和感のある景色が広がっていた。
あ、そっか。昨日からおじいちゃん家に来てたんだっけ…
「おはようございま〜す…」
眠い目を擦りながらキッチンへ行くと、みんなが朝食の支度をしていた
「おはよ、果乃ちゃん♪」
一番に声をかけてきたのは麻くん
「あれ、麻くん今日も制服?夏休みなのに学校行くの?」
「うん。俺図書委員だから。夏休みも図書当番っていう面倒臭い仕事があってね…」
「そうなんだ」
真っ白なシャツに紺色のズボンというシンプルな制服が麻くんによく似合ってる
「あれ、お兄ちゃんは?」
「捺くんならまだ寝てるよ?」
「あ、お兄ちゃん低血圧で朝弱いから…」
「へぇ〜、男のくせに朝弱いとかほんと情けないね。」
そんな爽やかな笑顔でナチュラルにそんなことを…
なんていうか、麻くんは見かけに寄らず結構腹黒だ。昔から…