
お兄ちゃんはいちご味
第2章 いちご味
翌朝―――――
…昨日は、あれからまともにお兄ちゃんの顔を見れなかった。
てゆうか、反応が怖くて…見れないよ…
はぁ…………
「かーのっ!おはよ!もう平気?」
ため息をついている所に、美子がテンション高くやってきた
「美子、おはよ…うん、もう大丈夫」
「ならよかった!まあそのおかげで久々に果乃パパも拝めちゃったし…?♪」
美子はかなり嬉しそうにニコニコしてる
「やっぱり相変わらずかっこよすぎ!あたしやっぱり果乃パパラブだわ!!」
み、美子の目が輝いている……
美子いわく、美子の初恋はうちのパパらしく…
昔からよくパパ目当てで遊びに来たりしていた
イケメン好きな美子が7年間お兄ちゃんにまるで興味ない理由…それは、美子はお兄ちゃんよりパパ派だからというわけです。
どうやらお兄ちゃんは美子の好みではないらしい
「長身にサラサラの黒髪!落ち着いた雰囲気だけど笑顔は子供っぽくて可愛くて、優しいけどどこかミステリアスなあの雰囲気!そして色気…!やっぱり素敵…!」
今日も美子のエンジンは全開って感じ
「…ねえねえ、月神さん!」
「……え?」
あまり話したことのないクラスの女子たちに取り囲まれた
「昨日の…学校に迎えに来てた若い男の人って……月神さんのお兄さん?」
…………正直パパ人気はすごい
「…えっと……」
たしかにパパはどう見ても20代にしか見えない。兄弟に見られるのはいつものこと
「ママの再婚相手で…ママより20歳くらい年下なの…つまりあたしのパパ……」
…ってことにしてる…
「えええ〜〜〜〜〜〜〜!?うそ!まじで!?」
「う、うん…」
本当のことを知っているのは美子だけだ。
美子はみんなの反応を見て得意そうな顔をしてる
それがおかしくて、なんだか笑いそうになった
