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お兄ちゃんはいちご味

第2章 いちご味




「お兄さんがあの月神先輩で、しかもお父さんもあんなにかっこいいなんて、月神さん恵まれすぎでしょ!」

「い、いや…別にそんなこと…ないよ…」



昔から、この理由で結構女の子の敵を作ってきてしまった気がする…

あまり友達は多い方じゃない。

でもあたしには美子がいる。
お兄ちゃんもいて、パパもいる。それで充分だ。




にしても、昨日はあんなに自分がコントロールできなくなるなんて……



あたし、そんなに血に飢えてるのか…!?

なんかこれじゃまるで、餓えた狼みたいな…

な、なんか、やだな…それ…



とにかくはやく正常に戻さないと。
昨日みたいなことにならないうちに…

誰でもいいから血を吸っておかなきゃ…





キーンコーンカーンコーン……



昼休み

あたしは人気のない南校舎の屋上にある人を呼び出した




「月神、用って何だよ。いきなり呼び出して…」


中等部の時散々あたしに言い寄ってきた3年の工藤先輩

見た目はいいし生徒会で頭もいい。女子には結構人気があるけど、あたしはこの人が嫌いだった。

強引で、自分のことしか考えてない



…一回、無理矢理キスされた



その仕返しに血を吸ってやろうと思った




「先輩、あたしの言うこと、聞いてくれます?」

「なに?おねだりなら可愛く言ってくれないとだめだよ?」


先輩はまんざらでもなさそう…



「じゃあ、そこに座ってください


先輩を座らせて、シャツのボタンを開ける


プチ…プチ…


「なっ!?え?つ、月神…?」

「じっとしてください」



パパの言ってた、"吸血鬼の眼"を使おうと思ってたんだけど…

どうやって使うんだろ…


さすがに、あたしが先輩の血を吸った記憶が残るのはまずい

どうにか…効いてくれないと…!



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