お兄ちゃんはいちご味
第10章 真っ赤な果実
「え…?」
「いや……」
麻くんは何かを言いかけて言葉を濁した
「昔から…果乃ちゃんは捺くんが好きで、捺くんも果乃ちゃんが好きなんだと思ってたから……」
「…でもそれは当たってるかも」
「え…」
「でも、あたしとお兄ちゃんの"好き"は違うから…」
そう、あたしはお兄ちゃんが大好きで
お兄ちゃんもあたしのことが好き
それで満足だったよ。
だけど気付いてしまったから
あたしとお兄ちゃんは兄妹であって
決して恋人になんかなれないこと
このままこの体質を利用してお兄ちゃんを繋ぎ止めたって、それは変わらない。
分かってる
分かってるけど…